Vol.12 ITエンジニア/CRMのためのコラム

エクスペリスの社員が素晴らしいキャリアを築くコツをお話しします。

効果的なコーチングとは

山田 大悟

執筆者プロフィール

山田 大悟

札幌サービスセンター
カスタマーサービスリーダー

前回私は「印象の良い応対とは」というタイトルでコラムを書かせていただきました。コールセンターにおいて印象の良い応対をすることができれば顧客満足度は上がります。ただし、ほとんどのオペレーター(以下OP)は最初から完璧なわけではありません。口ぐせがあったり、声のトーンが低かったり、うまく話をまとめられなかったり・・・とさまざまな課題を持っているのが現実です。そのような課題を克服するためにコーチングは欠かせません。以前品質管理の業務においてOPにコーチングを行った経験から、「効果的なコーチング」とは何かについてお話をしたいと思います。
本題に入る前に一点注意していただきたいことがあります。私は世に出ているHOW TO本を参考にしていたわけではありません。失敗しながら「何が効果的なのだろう」と考えて実践してきました。いわゆる独学です。もしかしたらこのコラムを読んでいただいても参考にならないかもしれません。ただし、私が担当していたセンターは第三者機関が実施した評価においてトップの成績を収めたことはお伝えしておきます。

OPを分析すること

OPのことを知らなければコーチングはできません。そのためには分析するツールが必要です。電話応対はオープニングからクロージングに至るまで様々なチェックポイントがあります。トークスキル、理解力、説明力、サービス精神の有無・・・などなど。電話応対を聞きながら全ての項目をチェックしていくとOPの弱点が浮き彫りになります。私は100点満点のチェックシートを作成し1人1人のOPをプロファイルしました。OPの課題点が見つかったところで、今度はその課題点の優先順位をつける必要があります。優先順位が上位になる要素は、「取り組みやすさ」「効果の即時性」の2つを満たす課題点です。最初から難しい課題点はなかなか克服できませんしモチベーションが継続しないからです。OPの分析が完了するといよいよコーチングです。

OPと歩幅を合わせること

一番ダメなコーチングは押し付けのコーチングです。OPは何が悪いのかもわからないままダメだしをされても、不満が増えるばかりでいっこうに成績は上がりません。それもそのはずです。OPはその課題点を課題だとは思っていないのですから。コーチングで大事なことはOPに自分の課題点が何であるかを気づいてもらうことです。主な方法としては、自分の応対を聞いてもらうのはもちろんのこと、比較対象として別のOPの応対を聞いてもらうこと、応対内容を文章にして目で見て確認してもらうこと、などがあります。OPの分析によって浮き彫りになった課題点を直接提示するのではなく、「どこを改善したらもっと良い応対になると思う?」と質問を投げかけ、OPに考えさせることが重要です。用意した課題点とOPが提示した課題点が一致すれば、そのコーチングは大きく一歩前進したことになります。しかし、なかなか課題点に気づいてくれないOPもいます。コーチングを行うには行う側のトークスキルも大変重要です。言葉巧みにOPを誘導し、その課題点に気づかせることも時には必要です。

継続させること

1回のコーチングで課題点を克服できるOPはいません。また1回1回のコーチングにつながりを持たせなければ、克服できたかを確認することができません。私はコーチングの終わりに必ずOPに目標設定をお願いしていました。複数の課題点を目標とするわけではなく、また克服することが難しいものを目標とするわけでもありません。そのOPにとって一番効果的で克服しやすいものを目標とします。例えば、「オープニングを明るくはっきり言う」「語尾を伸ばさない」などです。そして次のコーチングの時には、自分でどのような目標設定をしたかを確認し、どのくらい自分の中で克服できたかを質問します。できていなければどうしてできなかったか、どのようにしたらできるかを話し合います。場合によっては目標となるものは2回目のコーチングも同じになります。OPに課題点を意識させしっかりと向き合うことが大事なのです。

褒めること

課題点を克服できたのであれば、OPの努力を認め、さらに褒めることが大切です。褒められていやな気持ちになるOPはいないはずです。大きな目標に向かって階段を1段1段上る姿をイメージしてください。1段上るごとにOPは自信をつけ、やる気も出てきます。さらにコーチングをする側とされる側に信頼関係も生まれ、上るスピードは加速します。

見守ること

コーチングだけではなくふとしたタイミングでOPに声かけを行うことも大切です。「さっきのコール聞いたけど良くなっているね」「最近調子はどう?」など何気ない会話でいいのです。OPが常に気にかけてもらっている、見守られているという気持ちになるとモチベーションは持続し目標を見失うことを防ぐことができます。

いかがでしょうか。
普段コーチングを行っている方でただ時間を費やして「コーチングをした気になっている」という方はいらっしゃいませんか。コーチングは与えられた時間の中でどれくらい効率的にできるかがとても大事です。私のコラムが少しでも参考になれば幸いです。